(掲載日:2022/11/15)

アキレス(株)、住友林業(株)、(株)GCJは、CO2削減と植林の省力化のため『土壌生分解性ツリーシェルター』を共同開発しました。

戦後植林された人工林の多くが伐採期を迎え、伐採・再植林が全国各地で進んでいます。ニホンジカや野ウサギなどが植林したばかりの木を食べる被害が林業の現場で大きな問題となっています。鳥獣被害を防ぐ手段として、再植林地全体を囲う防護柵(防護ネットなど)が最も多く用いられていますが、メンテナンスの人手が不足しており、近年では植林した木を一本ずつ覆う単木保護資材(ツリーシェルターなど)も広く用いられています。現在利用されている防護ネットやツリーシェルターは主にポリプロピレン製で、設置後の回収作業や廃棄に労力とコストがかかるため、森林内に放置される恐れがありました。3社はこの課題を解決するため、土壌生分解の効果がありながら従来品と同等程度の強度がある素材を開発し、『土壌生分解性ツリーシェルター』を試作しました。

『土壌生分解性ツリーシェルター』は、植物由来のPLA(ポリ乳酸)を含む生分解性樹脂100%です。従来のポリプロピレン製ツリーシェルターと比較した森林での実証実験では (※)、植林木の成長と資材の強度が確認され、土中に埋めることにより分解がさらに進む素材であることが実証されました。利用後、森林の土壌中の微生物により自然分解されるため、シェルターを運び出す作業が不要となり、運送や焼却処分で発生するCO2を大幅に削減できるほか、撤去する作業員の負担を軽くし、回収・廃棄コストも削減できます。

※環境省の公募で(一社)日本有機資源協会が採択した「令和2年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」として2020年から2年間、開発と実証実験を行う。

2023年3月までに商品化し、コストダウンを進め、2023年度には国内で利用されるツリーシェルターの全てが植物由来原料を含む素材となるよう取り組みます。アキレス(株)、住友林業(株)、(株)GCJの3社は、食害対策の省力化・脱炭素化で環境にやさしい林業を目指した取り組みを推進します。

–お問合せ先–
アキレス株式会社 化成品事業部
〒169-8885 東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー
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